第1章 総則(第1条―第10条の2)/老人福祉法


(昭和三十八年七月十一日法律第133号)

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最終改正:平成一五年七月一六日法律第119号

(最終改正までの未施行法令)
平成十五年七月十六日法律第119号(未施行)
 

   第1章 総則

(目的)
第1条  この法律は、老人の福祉に関する原理を明らかにするとともに、老人に対し、その心身の健康の保持及び生活の安定のために必要な措置を講じ、もつて老人の福祉を図ることを目的とする。

(基本的理念)
第2条  老人は、多年にわたり社会の進展に寄与してきた者として、かつ、豊富な知識と経験を有する者として敬愛されるとともに、生きがいを持てる健全で安らかな生活を保障されるものとする。

第3条  老人は、老齢に伴つて生ずる心身の変化を自覚して、常に心身の健康を保持し、又は、その知識と経験を活用して、社会的活動に参加するように努めるものとする。
 老人は、その希望と能力とに応じ、適当な仕事に従事する機会その他社会的活動に参加する機会を与えられるものとする。

(老人福祉増進の責務)
第4条  国及び地方公共団体は、老人の福祉を増進する責務を有する。
 国及び地方公共団体は、老人の福祉に関係のある施策を講ずるに当たつては、その施策を通じて、前2条に規定する基本的理念が具現されるように配慮しなければならない。
 老人の生活に直接影響を及ぼす事業を営む者は、その事業の運営に当たつては、老人の福祉が増進されるように努めなければならない。

第5条  国民の間に広く老人の福祉についての関心と理解を深めるとともに、老人に対し自らの生活の向上に努める意欲を促すため、老人の日及び老人週間を設ける。
 老人の日は九月十五日とし、老人週間は同日から同月二十一日までとする。
 国は、老人の日においてその趣旨にふさわしい事業を実施するよう努めるものとし、国及び地方公共団体は、老人週間において老人の団体その他の者によつてその趣旨にふさわしい行事が実施されるよう奨励しなければならない。

(定義)
第5条の2  この法律において、「老人居宅生活支援事業」とは、老人居宅介護等事業、老人デイサービス事業、老人短期入所事業及び痴呆対応型老人共同生活援助事業をいう。
 この法律において、「老人居宅介護等事業」とは、第10条の4第1項第1号の措置に係る者又は介護保険法(平成九年法律第123号)の規定による訪問介護に係る居宅介護サービス費若しくは居宅支援サービス費の支給に係る者その他の政令で定める者につき、これらの者の居宅において入浴、排せつ、食事等の介護その他の日常生活を営むのに必要な便宜であつて厚生労働省令で定めるものを供与する事業をいう。
 この法律において、「老人デイサービス事業」とは、第10条の4第1項第2号の措置に係る者又は介護保険法の規定による通所介護に係る居宅介護サービス費若しくは居宅支援サービス費の支給に係る者その他の政令で定める者(その者を現に養護する者を含む。)を特別養護老人ホームその他の厚生労働省令で定める施設に通わせ、これらの者につき入浴、食事の提供、機能訓練、介護方法の指導その他の厚生労働省令で定める便宜を供与する事業をいう。
 この法律において、「老人短期入所事業」とは、第10条の4第1項第3号の措置に係る者又は介護保険法の規定による短期入所生活介護に係る居宅介護サービス費若しくは居宅支援サービス費の支給に係る者その他の政令で定める者を特別養護老人ホームその他の厚生労働省令で定める施設に短期間入所させ、養護する事業をいう。
 この法律において、「痴呆対応型老人共同生活援助事業」とは、第10条の4第1項第4号の措置に係る者又は介護保険法の規定による痴呆対応型共同生活介護に係る居宅介護サービス費の支給に係る者その他の政令で定める者につき、これらの者が共同生活を営むべき住居において食事の提供その他の日常生活上の援助を行う事業をいう。

第5条の3  この法律において、「老人福祉施設」とは、老人デイサービスセンター、老人短期入所施設、養護老人ホーム、特別養護老人ホーム、軽費老人ホーム、老人福祉センター及び老人介護支援センターをいう。

(福祉の措置の実施者)
第5条の4  六十五歳以上の者(六十五歳未満の者であつて特に必要があると認められるものを含む。以下同じ。)又はその者を現に養護する者(以下「養護者」という。)に対する第10条の4及び第11条の規定による福祉の措置は、その六十五歳以上の者が居住地を有するときは、その居住地の市町村が、居住地を有しないか、又はその居住地が明らかでないときは、その現在地の市町村が行うものとする。ただし、同条第1項第1号若しくは第2号又は生活保護法(昭和二十五年法律第144号)第30条第1項ただし書の規定により入所している六十五歳以上の者については、その六十五歳以上の者が入所前に居住地を有した者であるときは、その居住地の市町村が、その六十五歳以上の者が入所前に居住地を有しないか、又はその居住地が明らかでなかつた者であるときは、入所前におけるその六十五歳以上の者の所在地の市町村が行うものとする。
 市町村は、この法律の施行に関し、次に掲げる業務を行わなければならない。
 老人の福祉に関し、必要な実情の把握に努めること。
 老人の福祉に関し、必要な情報の提供を行い、並びに相談に応じ、必要な調査及び指導を行い、並びにこれらに付随する業務を行うこと。

(市町村の福祉事務所)
第5条の5  市町村の設置する福祉事務所(社会福祉法(昭和二十六年法律第45号)に定める福祉に関する事務所をいう。以下同じ。)は、この法律の施行に関し、主として前条第2項各号に掲げる業務を行うものとする。

(市町村の福祉事務所の社会福祉主事)
第6条  市及び福祉事務所を設置する町村は、その設置する福祉事務所に、福祉事務所の長(以下「福祉事務所長」という。)の指揮監督を受けて、主として次に掲げる業務を行う所員として、社会福祉主事を置かなければならない。
 福祉事務所の所員に対し、老人の福祉に関する技術的指導を行うこと。
 第5条の4第2項第2号に規定する業務のうち、専門的技術を必要とする業務を行うこと。

(介護支援相談)
第6条の2  市町村は、第5条の4第2項第2号に規定する情報の提供並びに相談及び指導のうち、介護保険法に規定する居宅サービス、居宅介護支援及び施設サービスの適切かつ有効な利用に係るものその他の主として居宅において介護を受ける老人及びその者を現に養護する者に係るものであつて特に専門的知識及び技術を必要とするものについては、当該市町村の設置する老人介護支援センターその他の厚生労働省令で定める施設の職員に行わせ、又はこれを当該市町村以外の者の設置するこれらの施設に委託することができる。

(連絡調整等の実施者)
第6条の3  都道府県は、この法律の施行に関し、次に掲げる業務を行わなければならない。
 この法律に基づく福祉の措置の実施に関し、市町村相互間の連絡調整、市町村に対する情報の提供その他必要な援助を行うこと及びこれらに付随する業務を行うこと。
 老人の福祉に関し、各市町村の区域を超えた広域的な見地から、実情の把握に努めること。
 都道府県知事は、この法律に基づく福祉の措置の適切な実施を確保するため必要があると認めるときは、市町村に対し、必要な助言を行うことができる。
 都道府県知事は、この法律の規定による都道府県の事務の全部又は一部を、その管理する福祉事務所長に委任することができる。

(都道府県の福祉事務所の社会福祉主事)
第7条  都道府県は、その設置する福祉事務所に、福祉事務所長の指揮監督を受けて、主として前条第1項第1号に掲げる業務のうち専門的技術を必要とするものを行う所員として、社会福祉主事を置くことができる。

(保健所の協力)
第8条  保健所は、老人の福祉に関し、老人福祉施設等に対し、栄養の改善その他衛生に関する事項について必要な協力を行うものとする。

(民生委員の協力)
第9条  民生委員法(昭和二十三年法律第198号)に定める民生委員は、この法律の施行について、市町村長、福祉事務所長又は社会福祉主事の事務の執行に協力するものとする。

(健康保持及び介護等に関する措置)
第10条  老人の心身の健康の保持に関する措置については、この法律に定めるもののほか、老人保健法(昭和五十七年法律第80号)の定めるところによる。
 身体上又は精神上の障害があるために日常生活を営むのに支障がある老人の介護等に関する措置については、この法律に定めるもののほか、介護保険法の定めるところによる。

(連携及び調整)
第10条の2  この法律に基づく福祉の措置の実施に当たつては、前条第1項に規定する老人保健法に基づく措置及び同条第2項に規定する介護保険法に基づく措置との連携及び調整に努めなければならない。

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